通夜・葬儀の準備と流れ / 仏式

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日本では、葬儀の約9割が仏式で行われています。
家族を亡くした家は、葬儀の一連の流れの中で喪に服すべき家、「喪家(葬家)」となります。
「葬儀」は遺族や親戚、親しい友人などが故人の成仏を祈る儀式で、「告別式」は故人にゆかりのある人が、故人に最後の別れを告げる儀式のこと。

それでは、納棺から納めの式までの準備とその流れを簡単にご紹介します。

1.納棺する
  ↓
2.通夜を行う
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3.葬儀・告別式を行う
  ↓
4.出棺する
  ↓
5.納めの式・収骨を行う

 

1.納棺する

納棺は、通夜の前、遺族や親族が揃ったところで始まります。

本来、納棺は遺族の手で行うものですが、最近では、葬儀社や納棺師と呼ばれる納棺専門の業者が行います。特に「納棺の儀」は、映画『おくりびと』での納棺シーンが印象的だったこともあり、依頼したいというご家族が増えてきました。
故人の旅立ちの支度をするのは遺族にとって辛いことですが、手厚く弔い、死を受け止め、遺族の悲しみや悔恨を少しでも癒すという点でも、意味のある大切な儀式となっています。

納棺の際は、故人の愛用の品などを副葬品として入れることができます。
ただし、燃えにくいものもありますので、確認して入れるようにしましょう。特にお茶やコーヒーなど液体類は、紙コップに入れラップをかけたりビニール袋へ入れ口を縛るなど、特別な処置が必要になります。
また、形見となるものは入れないようにしてください。

 

2.通夜を行う

通夜には、遺族が故人の遺体や魂を夜を徹して見守るという意味があり、近親者だけで過ごすものとされてきました。しかし、近年の通夜は現代の生活様式に沿って変化しており、葬儀や告別式同様に、斎場やホールで行われることが多くなっています。

一般的な通夜は、午後6時〜7時ごろから僧侶による読経で始まり、遺族と参列者による焼香がつづきます。それが終了すると、別室にて参列者に「通夜ぶるまい」がふるまわれます。
通夜ぶるまいの席は、参列者に食事をしながら故人を偲んでもらうという供養の意味もあります。自宅での通夜が一般的だったころは、料理を持ち寄ったり、近所の人が炊き出しを手伝ったりして夜遅くの酒宴になることもありました。

この通夜ぶるまいが終わり、参列者が順次帰途に着いたら、後は遺族や近親者だけで遺体とともに過ごします。ここからが本来の意味での通夜となります。
昔の通夜は、灯明(ろうそく)や線香を絶やさず、遺族が見守っていました。かく言う私も30年ほど前、祖父を亡くした際には、祖母や父母たちと交代で遺体を見守った記憶があります。しかし、現在はそこまですることは少なくなり、式場によっては仮眠ができないところもあります。

 

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3.葬儀・告別式を行う

仏教において、葬儀は死者に対して引導を渡す大切な儀式です。

葬儀と告別式を続けて行う場合、葬儀は、参列者が着席し僧侶が入場すると始まります。開式の辞、読経、弔辞拝受、弔電奉読の順で進んだ後、再び読経が行われ、焼香となります。
焼香は、喪主から遺族、親族、血縁の近い順に行い参列者へと続きますが、参列者の焼香から告別式へと切り替わります。
焼香が終わると、一同合掌し僧侶を見送り、閉式の辞が案内されると式は終了となります。

葬儀と告別式を別に行う場合は、葬儀での焼香は遺族や親類、近親者だけが行い、参列者は告別式で行うことになります。

 

4.出棺する

葬儀と告別式が終わると、火葬場に移動するために、故人が納められた棺を会場の外に運び出します。

その後、「お別れの儀」へと移ります。近親者や親しい友人、一人ひとりが別れを告げる大切な場面になります。
式場では、祭壇から下ろした棺の周りを見送る人で囲み、別れ花やメッセージカードなどを棺の中へ入れながら、故人と最後の対面をします。

棺の蓋を閉める時には石で釘を打つ「釘打ちの儀式」を行います。(宗派によっては行わないところもあり、近年は省略されることもあります。)
棺を霊柩車に納めたら、見送ってくださった人に対して、喪主がお礼の挨拶を行い、出棺となります。

「出棺時のクラクションが持つ意味」
高らかに響き渡る長いクラクションの音とともに、霊柩車は火葬場へ出発します。弔意と哀悼をあらわすための余韻を持った音色で、一般的には火葬場まで一緒に行けない人に対するお別れの合図として、鳴らされるといわれています。

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5.納めの式・収骨を行う

火葬場で最後の儀式を行い、故人は荼毘に付されます。

火葬場に到着すると、持参した位牌と遺影を祭壇の机に飾り、火葬前の別れの儀式である「納めの式」を行います。故人と縁の深い順に全員が訣別を告げた後、遺体は荼毘に付されます。

火葬が終わると、「収骨」を行います。箸を用いるのは、「箸」と「橋」が同音であることから、この世からあの世への「橋渡し」をするといういわれもあります。収骨が済むと、骨壺は埋葬許可証とともに白木の箱に納められます。

その後、僧侶と火葬に同行した人々を酒食でもてなす「精進おとし」の席を設けます。昔は四十九日の忌明けまで精進料理を食し、それを通常の食事に戻すことを精進おとしと言っていました。しかし、昨今は葬儀の当日に精進おとしも一緒に行うことが通例となっています。

 

以上が、納棺から納めの式までの流れとなります。

昔は規模の大きい立派な葬儀を営むことが、何よりも故人の供養になると考えられていましたが、現在は規模よりも内容、つまり故人らしさを前面に出した葬儀が望まれるようになっています。

ご遺族の皆様が納得できる葬儀で、悔いが残らぬよう、そして心を込めて見送れるよう、少しでもご参考にしていただけますと幸いです。

参考書籍:葬儀・法要・相続がよくわかる本 / PHP研究所・編集