終活フェスタを体験して

終活フェスタ2016パンフレット
終活フェスタ2016のパンフレット。中身は会場のイベント紹介のほかに何度も書き直せる気軽な終活ノートに。

終活はシニア世代ためのものなんて、誰が言ったのでしょう。「若いうちはこの先のことなんて考えない。お金だってあまり無かったし、仕事も恋愛も手慣れないことの連続で日々を生きていくのにせいいっぱいだった。」そう話すのは30代も後半のMさん。
先日友人の誘いで「終活フェスタ」(2016/大田区産業プラザPio)に行ってすこし価値観が変わったといいます。

終活フェスタの人気ゆるキャラ。終キャッツカウンセラー。
終活フェスタの人気ゆるキャラ。終キャッツカウンセラーが、会場の雰囲気を盛り上げる。

一般社団法人終活カウンセラー協会が主宰するこの終活カウンセラーは4回目を迎えました。今回初めてこの会に参加したMさんは、あまりの人の多さに驚いたといいます。「実は、もっと閑散としているものかとおもいました。。」それが第一声。
会場内はステージイベントは9時から16時半までフルにイベントが繰り広げられました。1階はそれぞれに終活活動中の参考になるであろう葬儀社・仏壇社・石材店などサービスほか22社ほどのさまざまな企業が各社個性的な終活活動を紹介していました。無論、会場の客層は平均して40~50代を超えたユーザーが多いともとれましたが、20代〜30代でしょうか。若年層も興味深く観察していました。また旅行中の外国人もいて、参加型のイベント全体の雰囲気が誰もが楽しめる内容となっていたようです。

アーバン・ヒューネス・コーポレーションの横内さん。新しい葬儀の形が遺された家族の心にも変化が生まれているようだ。
アーバン・ヒューネス・コーポレーションの横内さん。新しい葬儀の形が遺された家族の心にも変化が生まれているようだ。

見渡した印象では、最近の主流は家の中にあっても小さく部屋の雰囲気を邪魔しないスタイリッシュさを売りにした「仏壇」や「墓」が増えているようでした。葬儀社の中には故人を偲ぶだけであった葬儀をよりパーソナルを重視し、演出をしている会社もありました。「弊社では社員の多くが20代で、プランナーとして活躍していて、会社全員が故人様をどうしたらあたたかい気持ちで来場者のみなさんと一緒に見送ってあげられるかを企画して演出するお手伝いしているんです。普通の葬儀社とはずいぶん様子が違うとおもいますよ」と教えてくださったのはアーバン・ヒューネス・コーポレーション・横内さん。「映画が好きだったお父さんのために、まるで映画監督の部屋のような飾り付けして演出する。お酒好きだった人には酒樽などをおいて、酒を心から愛した故人を誰もが見てとれる演出をする。それをおよそ、1日ほどで準備して会場を故人様の色に会場を飾り付けするんですよ。」6割ほどの問い合わせは自分の葬儀はこうしたいというオーダーのようで、終活中にどうしたら来てくれる来場者が楽しい気持ちでその葬儀に参加してくれるかといった故人の優しさや思いをも感じ、現代の葬儀や墓地に変化が見てとれました。

一方で映画「おくりびと」で評判となった「納棺の儀」の実演は日本人の伝統の儀式をいまだに守り続けている様に大きな人だかりを見せていました。伝統と新しさが、こんな場面でも融合しているのだということがよくわかります。

棺の体験イベント、感慨無量
棺の体験イベント、入る人ごと、思いがそれぞれ。

また、会場内では「棺に入る体験コーナー」を設け注目を沸かせました。棺に入るのは一瞬ためらいを感じますが、「長生きを込める意味で年に一回ほど入る方もいるんですよ」というのが担当の方のお話でした。(アーバン・ヒューネス・コーポレーション)。試しに入ってみたところ、寝転がるには邪魔にはならないスペースだけれど、暗く少し狭まった閉じ込められた状態にこれまでに感じたこともない得も言われぬ気持ちがこみ上げてきました。暗くて怖い?でも、蓋についた窓から参列者から見られちゃうのは恥ずかしい?でも、なんにも開かない窓なんて怖いな。すこし広めの棺だったらフカフカの布団もひいてもらうのもいいかしら?蓋に閉じこもる時間はほんの一瞬でしたが、その中で思う気持ちは様々沸き起こり、死後はもう意識も無くなってしまうというのにこんなこだわりをもってしまう自分をすこし笑ってしまうような。

そんなことで笑えることも、この会場全体が思いの外明るい雰囲気に包まれていたからなのかもしれません。終活イベントは末期のための活動をするので、悲壮感すら漂っているのかしらと思っていましたが、とんでもない。終活を教えるトークイベントや終活落語など、さまざまな角度からイベントが用意され、終わりには抽選会でおおいにもりあがりました!実に楽しく前向きに取り組めるラインナップです。
最後のパネルディスカッションにはパネリストにタレントのデヴィ・スカルノ夫人を迎えた豪華なトークイベントが開催されました。なんと、会場の入りの5分前に「終活」の二文字を知ったというデヴィ夫人ですが、夫人の言葉からは「生きる」ことに貪欲な姿が見え、「わたしは105歳まで生きたいけれど、それだと強欲かしらとおもって、100歳まで生きたいと公言しているんですよ」と語られていました。戦争を体験したというデヴィ夫人はその戦争を見た眼差しでひとつでも多くの未来を見てからでないと死ねないという欲があるとも。そうなのです。それもまた終活活動。一見して終わり方だけを解いた「終活動」は死に方というマイナスを描くことではなく、◯◯も◯◯もしないと死ねないう決意表明をするものでもあるのかもしれません。強欲さは、時に人を勇気づけまわりも「そうだそうだ!いいわね。」という熱い思いを巻き込むのを会場全体の空気感から捉えました。

終活ノートに向き合う日に疲れてしまうとき、こんなセミナーに参加してみるのも素敵なヒントが見つかるかもしれません。