「歌手、僧侶、母」 – 二階堂和美

以前、「死と音楽の関係」について、「音楽と弔い – レクイエム」という記事を掲載しました。

レクイエム——鎮魂歌——はカトリック教会におけるミサのための聖歌でした。

様々な儀式において、歌は重要な役割を果たしますが、日常においても、子守唄——ララバイ——など、「言葉」の壁を超えて精神の安寧を得るためのものとして、たいへん有用な芸術です。

今回は、浄土真宗本願寺派僧侶でもある歌手、二階堂和美さんをご紹介します。

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二階堂和美

1999年にデビューした彼女は、ポップソングを出自に、以降、さまざまな音楽の歌い手として注目されてゆきます。
基本的にはオリジナルソングを創作されるシンガーソングライターですが、その圧倒的歌唱力からさまざまな「過去の名曲」の歌い手としても重宝されています。
「歌」が持つ根源的な力を最大限に引き出すその表現力は、ろうにゃ老若男女を超え、さらには国境をも超えて愛されています。

2013年には、NHK広島放送局制作のドキュメンタリー「歌手ときどき僧侶、そして母」が全国で放映され、歌手であり、僧侶であり、母であるその存在自体にも注目が集まります。

いのちの記憶

世界的に評価されたアニメーション映画、高畑勲監督『かぐや姫の物語』。
よく知られたことですが、『かぐや姫の物語』は『竹取物語』の別名です。平安時代に生まれたとされるこの物語は、成立年、作者ともに不明であるのも関わらず、その内容が普遍的な生命の物語であることから、広く知れ渡り、いまもなお語り継がれるものとなりました。

高畑勲監督は『かぐや姫の物語』の主題歌を、二階堂和美さんに歌ってもらいたいと強く要望したと言われています。
そして生まれたのが『いのちの記憶』という歌でした。
表題からわかる通り、普遍的かつ大きなテーマを歌えるのは二階堂和美さんしかいない、高畑勲監督はそう考えたのでしょう。

お別れの時

二階堂和美さんの歌は、たとえテーマが「別れ」であっても、明るく、そしてとても優しい雰囲気に包まれています。

終わりに

今回、すこし「終活」というテーマからは逸脱しましたが、筆者は二階堂和美さんの歌のように、「終わりに向かう」趣向のある「終活」も、明るく優しい雰囲気のなかで行われてゆけば素晴らしいと日々考えています。
その意図から、今回は二階堂和美さんをご紹介いたしました。
その歌から感じ入ることは必ずあると思います。これを機に、みなさまに彼女の歌声が届けば幸いです。