2017下半期総集編 ②図書編

2017年下半期の記事の総集編、第二回は「図書編」です。
直接的に「死」を扱うものや民俗学的なもの、間接的に「終活」を考えることができそうなものなど、多種多様な本をご紹介してきましたが、どれも一読いただく価値のあるものですので、ぜひこの機会に触れてみてください。

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文芸

まずは、小説から。

残酷さがもたらす静謐 – 『楢山節考』

こちらの記事でご紹介したのは、深沢七郎『楢山節考』。
1957年に書かれ、二度映画化されています。「姥捨(うばすて)」の説話を題材とした物語からは、「終活」の根源的意味を考えさせられます。

通夜のこと

こちらの記事では、通夜にまつわる小説をふたつご紹介しました。
ひとつめが、中島らも『寝ずの番』。もうひとつが、滝口悠生『死んでいない者』です。どちらも「通夜」という特殊な時間を舞台にしており、味わい深い作品です。

業田良家 – 無機物から命を考える作家

こちらの記事では、業田良家のいくつかの漫画作品を取り上げました。
『機械仕掛けの愛』、『ゴーダ哲学堂』、『自虐の詩』。
どれも、哲学的なテーマに挑んだ野心作で、特に連載中の『機械仕掛けの愛』は、最新のテクノロジーから逆説的に「人生」を問う、いまだからこそ成立する傑作です。

異文化から学ぶ「終活」⑧

こちらは、「異文化から学ぶ「終活」」シリーズの記事ですが、コルソン・ホワイトヘッド『地下鉄道』を取り上げています。
19世紀初頭のアメリカを舞台とした、黒人奴隷の逃亡劇を描いています。ピュリッツァー賞、全米図書賞、アーサー・C・クラーク賞など、名だたる賞を受賞した2016年に刊行された小説です。

ノンフィクション

偉人たちはどのように死んだのか – 『人間臨終図鑑』

ノンフィクションというジャンルで扱ってよいのか悩むのですが、山田風太郎『人間臨終図鑑』は、10代における死に始まり、果ては100代まで、総勢923人もの偉人の臨終を書き記した大著です。

メメント・モリ

こちらの記事では、水上勉の『土を喰う日々』というクッキング・エッセイをご紹介しています。
「メメント・モリ」とは「死を忘れるな」、「死を想え」という意味のラテン語の警句。
精進料理を通じ、食べることと生きることを見つめる視線からは、日常の中で「死を想え」を実践する方法を学ぶことができます。

「宅老所」の可能性

鹿子裕文『へろへろ – 雑誌『ヨレヨレ』と「宅老所よりあい」の人々』は、福岡にある「宅老所よりあい」のひとびとが、特別養護老人ホームを作るまでのノンフィクションです。
軽妙な語り口ですが、そこで実現されてきた「現実」の数々には目を見張ります。

その他

異文化から学ぶ「終活」⑥ – 2

「チベット死者の書」に関する記事の中で取り上げた一冊が、中沢新一『チベットのモーツァルト』。「チベット死者の書」に関する記事から、チベットの文化に興味を持たれた方には、最適な入門書となるでしょう。

総集編第三回は、「映画編」をお届けします。