現代的「おとなりさん」

以前、「大都市東京 – 孤独死の問題」という記事で、「孤独死」を取り上げました。

都会は、壁一枚隔てた隣家のかたと接することがなくても生きていける場所です。
それゆえに、同時に、そこでの死は、壁一枚隔てた隣家のかたにも気づいてもらえないのです。

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多様化するアイドル

さて、みなさんは過去にアイドルやアーティストのファンになったことや、あるいは今現在そうであったりはしますでしょうか?

古くは先日の記事「喜劇人の最期」に登場する「喜劇人」のように、スターは劇場の舞台で見るものでした。あるいは「銀幕のスター」を映画館で目にする。

その後、テレビが普及し、アイドル歌手や俳優たちはより身近となります。

そして2000年代となり、「会いに行けるアイドル」がコンセプトのAKB48が登場します。彼女たちはほぼ毎日、専用の劇場で公演を行うため「会いに行ける」のです。
「昭和の喜劇人」とは違い、その存在はより身近で、また、その成長過程を見守ることで、より親近感を抱くことになるのです。

AKB48に代表される、身近に感じられるアイドルの登場後、アイドルも多様化し、それとはまた別に、小学生にはテレビタレントよりもYouTuberのほうが人気があったりと、ファンとなる対象は昨今、非常に多様化しています。

現代的「おとなりさん」

そんな折、シンガーソングライターである有坂愛海さんという方の、ブログ記事を目にしました。

『ファンを亡くした気持ち』/有坂愛海公式BLOG『ありのまま有坂様』

この記事では、有坂愛海さんが自身の熱心なファンである方がしばらく姿を見せないことに不安を覚え、その方の安否を確認したことや、アーティストとファンの関係について赤裸々に書かれています。

内容の詳細は記事を読んでいただくとして、筆者は、現代においては、同じアーティストのファン同士であったり、有坂愛海さんの場合は特殊な例だと思いますが、アーティストとファンであったり、そうした関係が、住んでいる場所の距離や職業の違いなどを問題としない、現代的な「おとなりさん」となりつつあるのではないかと感じました。

もちろん、「孤独死」に対するセーフティネットが未整備なことが、一番の懸念であり、早急に対応すべきことです。
ただ、現代的な「おとなりさん」とも言える関係の構築は、社会問題となりつつある「孤独死」へのもっとも効果的な、自身で行える対応にも感じられました。

終わりに

有坂愛海さんは、上記のブログ記事で言及しているファンの方の追悼ライブを4月に行う予定です。

壁一枚隔てた隣家のかたとの距離が遠くとも、とおく離れたどこかに近しい人がいる。
現代はそういう時代なのかもしれません。