ビデオゲームとエンディング①

毎年8月は、ENDEXと呼ばれる「エンディング産業展」が東京で催されます。

ENDEXとは、その名のとおり葬儀や終活にまつわるサービスの展覧会ですが、ここ数年、様々な最新テクノロジーが「エンディング」のカタチに影響を及ぼしていることがその内容から見て取れました。

また、超高齢化社会を迎え「ターミナルケア」や「介護」の重要性が高まる中、それらにテクノロジーはどのようなカタチで貢献できるのか。

今回はこうしたテーマに向き合ってみたいと思います。

ddafebd6ef3b064a025028fd033cb5e8_s

視覚効果

最新技術と死の関係の極北に「医療」があります。

実際、「超高齢化社会」「ターミナルケア」「介護」の問題を生み出したのは医療技術と言えるでしょう。

ですが、「葬儀」や「終活」といった視座では医療技術について考えることは現実的ではありません。
それに付随する倫理や死生観、あるいは法整備などについては考える必要があるでしょう。
しかし、もっと軽微な、われわれの身近にある問題に関わる最新テクノロジーを想うとき、それは大抵「視覚効果」に集約されるのではないでしょうか。

——持って回った言い方になってしまいましたが、たとえば、遺影が液晶スクリーンにスライドショーとして映し出される、パソコンを用いてブラウザ上でお墓参りができる、葬儀をVR(ヴァーチャル・リアリティ)で疑似体験できる……、などなど、平成の終わりが近いいま、その始まりの頃には考えられなかったような体験が我々には可能となっています。

そしてそれらの大半は、視覚効果によるものです。

「終活マガジン」ではたびたび「死のカタチ」という言葉にこだわってきました。
見えない、手に取れない。
だからこそ不安をもたらす「死」に、人々はさまざまな方法で「カタチ」を与えようとしてきました。

最新のテクノロジーもまた、そうした「カタチ」作りに寄与しようとしているのではないでしょうか。

視覚という刺激

その「カタチ」をより仔細に、あるいは具体的に——。
最新のテクノロジーはそのように「死」に作用すると同時に、「視覚という刺激」でもって「ターミナルケア」や「介護」の場にもその影響を及ぼしているようです。

老いとともに体が不自由となると、外部からの刺激を受けにくくなり脳もまた衰える。

昨今の進んだ介護施設では、ヘルスケアの一環としてビデオゲームが取り入れてられているそうです。
というのも、数年前から、ビデオゲームには高齢者の認知能力を向上させる効果があるのではないか、という研究が進められているからです。

たしかに、昔から手先を使う趣味は認知症の予防に効果的だと言われてきました。
肉体が衰えようとも、手先を使い、視覚や聴覚でもって様々な刺激を受けることのできるビデオゲームは今後、「ターミナルケア」や「介護」の場に思いがけず大きな影響を及ぼすのかもしれません。

では、次の記事では、「ビデオゲームとエンディング」について、より具体的に掘り下げてみたいと思います。