歩みを止めぬために – ①

「終活マガジン」では毎回扱うテーマを定め記事を作成してきました。

もちろん、いくつかの主題を含んだ記事もいくつかありましたが、昨今の「終活事情」からして、それは避けられないだと筆者は考えています。

さて、この記事には「歩みを止めぬために」という表題を付けました。
今回もまたいくつかの主題を含んだ記事を執筆するつもりですが、その主題——歩みを止めぬために——がいつもよりも抽象的ですから、どちらかと言えばエッセイのような雰囲気になるかもしれません。

いつもの記事とは少し趣が異なりますが、最後までお付き合いいただければと思います。

2386878485287c975ee5803f458e02e8_s

ペットの死

私事で恐縮ですが、昨年末に飼い猫を亡くしました。

「終活マガジン」ではたびたびペットのまつわる記事も掲載してきました。

2018総集編 ⑤ペット

昨年の総集編でも、一記事を割いています。

実際、「ペット」と「終活」の関係は存外に深いものがあります。
高齢となり、家族との距離が離れることは珍しいことではないでしょう——子供の自立、あるいはパートナーを先に亡くしてしまう、など——。
そうした時、動物を飼うことが好きな方にとっては、「ペット」を飼うということは素晴らしい選択肢のひとつです。

とはいえ、動物は命ある身。高齢となった自身があらたにペットを受け入れ、最期まで面倒をみてやれるのだろうか。
そうした苦い葛藤は避けられません。

実際、筆者は昨年の生活の大半を、病気になってしまった飼い猫の世話に傾けていました。
家での世話はもちろん、頻繁な通院、調べごと、それになによりも心配ですから、それが自身のストレスとなってしまいます。

こうした経験を経たことで、あらたに「ペット」を受け入れるハードルは上がってしまう場合もあると思います。
ふたたび同じか、あるいはそれ以上の苦労がそこにはあるかもしれない。
もちろん、それに勝る喜びがあるのは事実です。ですが、年齢とともに自身の体力が衰える中、そうした不安は経験者にこそ根深いのかもしれません。

ペットの繁殖

2017年度、ペットショップによる犬や猫の販売数は85万匹を超えました。
ペットブームに乗じての増加なのですが、同時に繁殖や販売業者の登録制度がゆるく、ほとんど「誰にでもできる」現状であるのもまた大きな要因のようです。

こうした法の整備不足のせいで、経験不足のブリーダーが増加しているようです。
収入も得られますし、たとえば定年退職し時間のある動物好きの高齢者からすれば、その最期まで世話をする義務も生じない、願っても無い状況なのかもしれません。

しかし、繁殖から小売りまでの流通過程による犬や猫の死亡数はここ数年、改善されていません。
その数は自治体による殺処分数を大きく上回り、ペットショップや繁殖、販売業者にはいまだに大きな問題があると言えるでしょう。

言葉が通じない

筆者の場合は猫でしたが、晩年の付き合いはまさしく「ターミナルケア」と呼べるようなものでした。
その中で、いつも以上に強く直面せざるを得ないのが「言葉が通じない」ということです。

ゆえに、ペットの所作から推測する。そのために学ぶ必要もある。なにより、よく見るための時間が必要になる。

こうした経験を経て、猫一匹のことを理解しようと努めることがとても大変なことだとわかりました。
もちろん、それでもなお筆者は素人です。獣医のように動物を診ることはできません。

しかし、そんな素人でも繁殖や販売に手を出せてしまう。
それはとても「老後の楽しみ」と言えるような気楽なことではないにも関わらず。

この根深い問題については、あまりに「ペット」というテーマに特化しすぎてしまいそうですので、次の記事からは上に述べた「言葉が通じない」、そのことについて書いていきます。

>>「歩みを止めぬために – ②