続・続・動物と死/動物の死

「続・続・動物と死/動物の死」——おかしな表題となりましたが、「終活マガジン」では過去二度、「動物と死/動物の死」というテーマに基づき記事を制作しました。

動物と死/動物の死
続・動物と死/動物の死

それはたとえば、ペットを飼育しているひとにとっては身近な問題ですし、——「死」という言葉・概念を持たないものにとって「死」とはなにか——を問う言葉の問題でもありました。

さて、今回、あらためて「動物と死/動物の死」について考えてみたいと思ったのは、北海道の旭山動物園が実施している「喪中看板」のことを知ったからでした。

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いつ、なぜ死んだのか

動物の本来の姿を尊重し、それを伝えることを目的とした「行動展示」。
旭山動物園が全国的に注目を浴びるきっかけとなった試みです。

教育活動や、ブログを通じ飼育動物の近況を日々報告する旭山動物園ならではの、動物という「生命」と真摯に向き合った姿勢がそれを生み出した背景なのでしょう。

そんな旭山動物園が「喪中看板」の掲示をはじめたのは2004年ごろ。
そこには死んだ動物の遺影とともに、その日時はもちろん、死因も述べられています。個体の識別が可能な動物であれば、すべてに「喪中看板」を用意しているとのこと。

時折、非常に長寿の飼育動物がなくなった場合などはニュース報道で取り上げられることがありますが、たとえば安楽死や動物同士の争いにおける死などは、悲しい印象が強いことからすすんでの発表は避けられます。

ではなぜ旭山動物園は「喪中看板」を掲示しはじめたのか。
その背景にはもちろん、旭山動物園の持つ「生命」と真摯に向き合った姿勢、そしてその理念が挙げられるでしょう。

尊敬の気持ち

旭山動物園の理念には、次のような一文がありました。

当園では、ありのままの彼等の生活や行動、しぐさの中に「凄さ、美しさ、尊さ」を見つけ、「たくさんの命あふれる空間の居心地の良さ」を感じて欲しいと考えています。

旭山動物園の使命・理念 | 旭川市 旭山動物園

この言葉からは、旭山動物園が「行動展示」を行うに至った理由が読み取れます。

それと同時に「喪中看板」の設置に通ずる意識もそこからは感じ取れ、それは「凄さ、美しさ、尊さ」という言葉に表れているのではないでしょうか。

命あるものの「凄さ、美しさ、尊さ」を感じそれを伝えようとする以上、その「死」にある「凄さ、美しさ、尊さ」も伝える責務がある。
「喪中看板」にはそうした旭山動物園の想いを筆者は感じました。

動物に学ぶ

先月、「日本の死生観の未熟」という記事で、筆者は「そこにある死」から目を背けがちなこの国の未成熟な死生観を嘆いてみせました。
そしてそのことは、社会全体として「死」を覆い隠す仕組みの構築を促してきてしまったのでしょう。

過去に二度、そしてこの記事で「動物と死/動物の死」を考えてきました。
旭山動物園の取り組みに習い、われわれはいまこそ「動物の死」から死生観を得る必要があるのではないでしょうか。