「最後の言葉」とアートプロジェクト

みなさんは「あいちトリエンナーレ」という催しをご存知でしょうか?

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2010年より、3年ごとに開催されている国際芸術祭で、2019年8月1日から10月14日まで開催される「あいちトリエンナーレ2019」はその第4回目です。

その「あいちトリエンナーレ2019」の芸術監督を務める津田大介さんが打ち立てたテーマは「情の時代」。
また津田さんは、時代の流れを鋭敏に察知、反映させ、参加するアーティストの男女比を平等にしました。

この「現代的」国際芸術祭で展示予定の『Last Words / TypeTrace』という作品。

今回はこの作品をご紹介します。

10分で書く遺言

上の動画を見ていただくとわかりやすいのですが、テーマが「情の時代」だけあり、この作品は「完成した遺言」ではなく「10分の間に遺言が完成するプロセス」もまたコンセプトの一部のようで、つまりある程度「感情の動き」が可視化されるように企まれているようです。

そして、この「10分の間に遺言が完成するプロセス」と「完成した遺言」は広く一般的に募集されています。
Last Words / TypeTrace
にアクセスすることで、実際に自身で執筆してみることが可能です。

アートと「死」

先月掲載した「家から離れて – 死を想う場所」という記事では、アートが主体の催しではありませんでしたが、「おいおい老い展 生き方・介護・福祉のデザインを考える5日間」という展示会をご紹介しました。

いま、これまでの「終活」という言葉から連想されてきた「具体的な作業を伴う活動」は飽和状態を迎えています。だからこそより本質化し、人々の関心は「死」や「終末期」をより一層「考える」ことへと移ってきているのではないでしょうか。

「終活マガジン」では「死生観」という言葉を幾度も繰り返してきました。
「終活」のスタート地点に立つには、本来「死生観」が必要なのです。

カタチがあるわかりやすいものの流布が先行してしまうのは、ある程度仕方のないことかもしれません。
ですが、いま一度スタート地点に立ち返り、いままさに始まりつつある「死を考える」時代の流れにぜひとも乗ってみて欲しいと筆者は願っています。