丸山寺墓苑の最寄駅は中延駅ですが、お隣のエリアの戸越まではだいたい徒歩で20分ほどです。
戸越エリアは東急池上線戸越銀座駅・都営浅草線戸越駅・東急大井町線戸越公園駅の3つの駅が集中しています。もし交通アクセスのご都合がよければ、戸越エリアはおすすめの寄り道スポットです。
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有名な戸越銀座でのお散歩や買い物も楽しいですが、すぐ近くの隠れ家スポットにある戸越八幡神社に足を延ばしてみてはいかがでしょう。
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創建は、戦国時代初期の1526年。諸国を行脚していた行永法師が、このエリアに誉田別命(ほんだわけのみこと)の御神体が顕れたのを見たことから庵を結び、京都の石清水八幡宮から勧請*したことが始まりといわれています。人々が祈願のために集まると、たちどころに願いが叶うと評判が高まり、この庵は成就庵と名付けられました。その様を詠った古歌に
江戸越えて 清水の上の成就庵 ねがひの糸の とけぬ日はなし
とあり、これがきっかけで戸越の地名となったと言われています。
ちなみに、誉田別命(ほんだわけのみこと)とは、第15代天皇・応神天皇を神格化した際の呼び名で、行永法師のエピソードに因んで戸越神社で祀られています。応神天皇が実在したのかどうかという点は現段階では疑問符がつくようですが、神仏習合の思想から早くから神格化されていたようで、武神の代表格八幡神と捉えられていたそうです。八幡神社の数は全国に一万とも二万とも言われており、稲荷神社の次に多く、とてもメジャーな神様なのがわかります。
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戸越の地名のきっかけそのものとなった戸越八幡神社は、閑静な環境が心地よいだけでなく、参拝者のための設備や各種展示の充実ぶりが際立つ神社で、地元の人々からの人気も高いそうです。ですが、裏を返せば、それだけ地元の人々を大切にしている証拠とも言えます。
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筆者が訪れた時はちょうどひな祭りの時期だったこともあり、由緒ある貝合わせや雛人形の展示に思わず見入ってしまいました。
こんな休憩スペースも。
心があたたかくなる戸越八幡神社です。
*勧請:神仏の分霊を他の社に移して祀ること。